10月のサイバーセキュリティ月間ー第2週目

「デジタルスキルと知識の幅を広げよう」

 欧州ネットワーク・情報セキュリティ庁(ENISA)と欧州委員会および200社以上のヨーロッパ提携企業は第7回「欧州サイバーセキュリティ月間(ECSM)」を主催・実施しました。第2週目のトピックは「デジタルスキルと知識の幅を広げよう」でした。

デジタルライフ: 教育やトレーニングを奨励し、セキュリティについての知識を広める

 「デジタル化」は何においても関連するトピックですが、継続的に影響があるのは生活全般において言えることです。私たち人間や社会がどのような変化に直面するのかを、正確に予測することはできません。デジタルサービスがもたらす新たな可能性は非常に多彩で、今後も部分的に様々な変化が考えられます。2018年の例としては、EU一般データ保護規則(GDPR)、ネットワーク・情報システムの安全に関する指令(NIS指令)、ビットコインなどのブロックチェーンの継続的な開発などが挙げられます。

 若者や、若い専門家、そしてすでに働いている多くの人々には、常に成長し適応する必要性が求められます。ESCMではフレームワークの中で、このような活発で必要不可欠な変化について慎重に取り組んでいます。「基本教育」及び将来のサイバーセキュリティ分野で必要とされる専門家に関しての取り組みとなります。

GetCyberSkilled(サイバースキルを得よう)

 インターネット上のセキュリティにおける取り組みの第一歩の一環で、現在教育を受けている若い世代を特にターゲットとしています。「GetCyberSkilled(サイバースキルを得よう)」とは、若い人々にアピールする流行語です。そこでEuropean Schoolnetの協力の下、様々な学習項目がデザインされ、10月8日にECSMでその最終プログラムが発表されました。このプログラムの目的は、若い人々のサイバーセキュリティ教育や技術を発展させるために、親、教師、指導者を支援することです。
 様々な技術やメディアの中で育ってきた若い人々には固有のリスクがあり、個人情報の紛失が、生涯に渡って悩みの種となることがあります。ですから、ネット上の活動によって起こり得るリスクについての必要な知識は、早い段階で習得しておく必要があるのです。
 サイバーセキュリティのスキルと能力があれば、若い世代の日常的なセキュリティ習慣を発展させることができます。サイバーセキュリティ・スキルの高い人は、友人や家族、知人など、周りにいる他の人々にその知識を共有する。そのような取り組みにより、すべての人々のセキュリティレベルに有益な効果をもたらすことができます。セルフチェック用の「サイバーセキュリティクイズ」をご用意しています。学習モジュールの概要は、こちらからご覧頂けます: https://www.enisa.europa.eu/news/enisa-news/get-cyber-skilled

IT Security Hub Austria ー 未来のサイバーセキュリティ・プロフェッショナル

オーストリアに焦点を当てた「Austria IT Security Hub」もまた、ITセキュリティ能力の促進および発展に貢献しています。「Austria IT Security Hubでは、国家レベルで幅広くサイバーセキュリティ意識の向上促進のため、持続可能な構造の確立を目指します。また、このような構造を基にした教育訓練分野において、基本的かつ卓越したプログラムの実施に取り組んでいます。影響を受ける社会のあらゆる人々同様に、教師だけでなく学童や生徒も、一般的な情報技術、特にサイバーセキュリティについて、持続的に意識を向けておく必要があるのです」IKARUSのCEOで、IT Security Hub設立メンバーでもあるJoe Pichlmayrは語ります。「ヨーロッパ経済やサイバースペースを保護し、競争力を保つために必要となるのは、十分な素質と才能のある若い人々だけではありません。このような課題に対して社会全体に影響を与え、積極的に取り組み、参加するよう奨励することが必要です」
 このように様々なアプローチを組み合わせることで、ITセキュリティ専門家の必要性が持続して広まります。サイバーセキュリティに興味のある実習生や学生の皆さんは積極的にアプローチされ、奨励されています。また、これらのアプローチや奨励は、高等教育部門にある一流の教育機関や高等技術学校、情報技術に特化したAHSの協力のよっても行うことができます。

Austria IT Security Hubの詳しい情報は、こちらをご覧ください: https://security-hub.at/
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